阪急富田駅周辺たこ焼き屋さん「屋台たこ焼き」
ある日のことや。
富田商店街の立ち呑み「膳」でいつものように立ち飲んだ後、俺は踏切横のたこやき屋さんでひと舟10個入りのたこ焼きを買うて、公園のベンチで包みを開いた。
(たこの大きさでは、あっこが1番やからな)
そんなことを思いながら、熱々のところをハフハフいって1個頬張ってみた。
(ん? たこが入ってへん)
まあ、ときには入れ忘れるということもあるやろ。2個目を頬張った。
(え! これにも入ってへん。どないなってんのや)
3個目を食べてみたらこれにもたこは入ってへん。
(まさか!)
そのまさかや。4個目にもたこは入ってへんかったんや。こうなるともう詐欺やで。
怒りがこみ上げてきた。念のため5個目にもたこがないことを確かめて、俺は残りのたこ焼きをゴミ箱に投げ捨て屋台に引き返した。
「さっきここでたこ焼きを買うた者やけど、たこが入ってへなんだで。たこ焼きにたこがのうてどこがたこ焼きやねん!
あんたらはここ大阪でこんな商売するんか。人をあんまりアホにさらすな! ホンマ、どついたろか!
いい加減な商売しやがって! アホんだらが。どっかへいにさらせ!」
使用無料イラスト(⇒掲載ページ)
俺は酔いも手伝うてこんな風に店員を罵り「すみません。すぐに代わりのたこ焼きを用意しますよって」と謝るのを尻目に「今さら何がたこや!」そう大声でいい捨てて屋台を後にしたんや。
酔いが覚めてみれば、大人気ないことをしてしもうたと反省しきりやったが、そんでもたこ焼きにたこが入ってへんのは、ごはんの上にうなぎのタレしかかかってへんうな丼や、野菜の天ぷらばっかりで海老天が載ってへん天丼とおんなじぐらいタチが悪い。
大阪はたこ焼きのメッカやで。「たこ焼き器なければ浪花には住めず」と川柳にも詠まれてるやないか! もっともこの川柳は俺の詠んだもんで、誰も知らんやろけど。
大阪やったら、たこ焼き器は一家に1台は必ずある。皆んなが皆んなマイたこ焼きを作ってて、たこ焼き器を持たへん家は回りから白い目で見られ、町の秋祭りにも参加でけへん土地柄なんや。
せやで。ここ大阪はたこ焼き王国なんや。その大阪でたこの入ってへんたこ焼きを売るいうんは、まったくもって言語道断、無礼千万、傲岸不遜、酒池肉林、阿鼻叫喚、ノックは無用けれどもノックに冥福いうもんや。チト古いけど。
けど、膳のバイトのまきちゃんに聞いたら「屋台のたこ焼きは外がパリッとしてて、中がもちもちでとってもうまいって評判よ」と言ってた。
きっとあのときはなにかの手違いがあったに違いあらへん。
すぐに屋台にいくことはやや恥ずかしいから、俺は、ほとぼりが醒めた頃に再び屋台でたこ焼きを買うつもりやが、きっとそんときにはそのたこ焼きにいつもの大きなたこが入っていることを信じたいと思てる。
(この文章を書いたのは、今を遡ること5年前のことです。くだんの屋台は今でも同じところで営業していますが、そのたこ焼きはおいしいと評判です。
あれは何かの手違いだったにちがいありません。そのことを念のため申し添えておきます)
富田商店街の立ち呑み「膳」でいつものように立ち飲んだ後、俺は踏切横のたこやき屋さんでひと舟10個入りのたこ焼きを買うて、公園のベンチで包みを開いた。
そんなことを思いながら、熱々のところをハフハフいって1個頬張ってみた。
(ん? たこが入ってへん)
まあ、ときには入れ忘れるということもあるやろ。2個目を頬張った。
(え! これにも入ってへん。どないなってんのや)
3個目を食べてみたらこれにもたこは入ってへん。
(まさか!)
そのまさかや。4個目にもたこは入ってへんかったんや。こうなるともう詐欺やで。
怒りがこみ上げてきた。念のため5個目にもたこがないことを確かめて、俺は残りのたこ焼きをゴミ箱に投げ捨て屋台に引き返した。
「さっきここでたこ焼きを買うた者やけど、たこが入ってへなんだで。たこ焼きにたこがのうてどこがたこ焼きやねん!
あんたらはここ大阪でこんな商売するんか。人をあんまりアホにさらすな! ホンマ、どついたろか!
いい加減な商売しやがって! アホんだらが。どっかへいにさらせ!」
使用無料イラスト(⇒掲載ページ)
俺は酔いも手伝うてこんな風に店員を罵り「すみません。すぐに代わりのたこ焼きを用意しますよって」と謝るのを尻目に「今さら何がたこや!」そう大声でいい捨てて屋台を後にしたんや。
酔いが覚めてみれば、大人気ないことをしてしもうたと反省しきりやったが、そんでもたこ焼きにたこが入ってへんのは、ごはんの上にうなぎのタレしかかかってへんうな丼や、野菜の天ぷらばっかりで海老天が載ってへん天丼とおんなじぐらいタチが悪い。
大阪はたこ焼きのメッカやで。「たこ焼き器なければ浪花には住めず」と川柳にも詠まれてるやないか! もっともこの川柳は俺の詠んだもんで、誰も知らんやろけど。
大阪やったら、たこ焼き器は一家に1台は必ずある。皆んなが皆んなマイたこ焼きを作ってて、たこ焼き器を持たへん家は回りから白い目で見られ、町の秋祭りにも参加でけへん土地柄なんや。
せやで。ここ大阪はたこ焼き王国なんや。その大阪でたこの入ってへんたこ焼きを売るいうんは、まったくもって言語道断、無礼千万、傲岸不遜、酒池肉林、阿鼻叫喚、ノックは無用けれどもノックに冥福いうもんや。チト古いけど。
けど、膳のバイトのまきちゃんに聞いたら「屋台のたこ焼きは外がパリッとしてて、中がもちもちでとってもうまいって評判よ」と言ってた。
きっとあのときはなにかの手違いがあったに違いあらへん。
すぐに屋台にいくことはやや恥ずかしいから、俺は、ほとぼりが醒めた頃に再び屋台でたこ焼きを買うつもりやが、きっとそんときにはそのたこ焼きにいつもの大きなたこが入っていることを信じたいと思てる。
(この文章を書いたのは、今を遡ること5年前のことです。くだんの屋台は今でも同じところで営業していますが、そのたこ焼きはおいしいと評判です。
あれは何かの手違いだったにちがいありません。そのことを念のため申し添えておきます)
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