断酒日記再び
断酒日記再び(3/26)
私の場合は明らかにアルコール依存症である。いわゆる「身体依存」である。肝臓の弱り具合を示すガンマGTPやGOTは危険域に達している。
昨年のいつ頃だったか、医者は「これ以上、酒を飲み続けると肝硬変で死にますよ」と私に告げた。
それでも、私は酒を飲み続けている。背中やわき腹がチリチリ痛む。
双子の子らはこの4月から高校生。
ここで踏ん張らなくてどうする!
今1度、断酒をしよう。断酒会にも行こう。
今日が何回目かはわからないが、断酒の誓いの初日である。
ここにいつぞや書いたエッセイ「母の叫びを心に聞く」を掲げておこう。

母の叫びを心に聞く
私はアルコール依存症なのだった。
背中にじんじんとした鈍痛があり、乳首辺りが痒いのだったが、これはアルコールによる典型的な肝炎の症状なのだった。
頭も左脳辺りがぼんやりとしているが、それは脳血栓の始まりかもしれないのだった。
アルコールをやめれば体調も、そして日々の生活も好転することはわかりすぎるほどわかっているのに、どうしてもアルコールが止められないのだった。
もう死んでしまったが、父もアルコール依存症なのだった。
小学生の頃、私はよく夕方の薄暗がりの中で、酔いどれて帰ってきて始まるだろう父と母との諍いを思い浮かべながら、遠くにチラチラ見える、今まさに父が立ち寄っているに違いない居酒屋の明かりを悲しく見つめたものだった。
またあるとき、泣き上戸の父が昼日中から酒を飲んで泣いているのを見て、私が何か父を悲しませるような悪いことをしたからに違いないと勘違いし、「とおちゃん、こらえちや。もう2度と悪いことはせんから。なあ、とおちゃん」と泣きすがったのだった。
その父の酒乱のひどさに、十全会というアルコール中毒専門病院に入院させようかと、母と姉とが相談し始めた頃、父は一念発起して断酒会に入会し、それから死ぬまでの20年間、一滴もアルコールを口にしなかったのだった。
私はそんな父を思い出し、昨年、決意して断酒会に入会したのだが、どうしてもアルコールを止められず、2度入脱会を繰り返し今があるのだった。
私の双子の子らはまだ小学6年生で、今、私が倒れれば、たちまち家族は路頭に迷うことになるのはわかっているのに、私にはアルコールが止められないのだった。
私はアルコールを飲みながら、神様にこう祈るのだった。
「神様、もし、私の血管が切れるのだったら、そのまま、この命をあの世に連れていってください。よもや、不随となって、この世に命を踏みとどまらせ、介護に苦しむ家族の悲惨を私に見せるようなことだけはおやめ下さい」
何かに、どこかに行き着くまでは飲むしかないか、私はそう思い、今日もまたアルコールを飲み続けるのだった。
しかし、しかし、このまま朽ち果てるのも悔しいのだった。
「そげなことでどうする。しっかりせんか、太郎!」
心の奥底で母が叫んでいるのだった。
電子出版プラットフォーム「パブー」から、田中かわずのペンネームで、400字詰め原稿用紙で10枚程度の短編小説「桜」「みっちゃんへ」「ピヨピヨ」「ベロの辛抱」、中編小説「おばあちゃんへの贈り物」を電子出版しました。無料です。よかったら読んでね。
エッセイ「オレのリハビリ日記」をパブーから有料で電子出版しました。300円です。よかったら買って読んでね。
私の場合は明らかにアルコール依存症である。いわゆる「身体依存」である。肝臓の弱り具合を示すガンマGTPやGOTは危険域に達している。
昨年のいつ頃だったか、医者は「これ以上、酒を飲み続けると肝硬変で死にますよ」と私に告げた。
それでも、私は酒を飲み続けている。背中やわき腹がチリチリ痛む。
双子の子らはこの4月から高校生。
ここで踏ん張らなくてどうする!
今1度、断酒をしよう。断酒会にも行こう。
今日が何回目かはわからないが、断酒の誓いの初日である。
ここにいつぞや書いたエッセイ「母の叫びを心に聞く」を掲げておこう。

私はアルコール依存症なのだった。
背中にじんじんとした鈍痛があり、乳首辺りが痒いのだったが、これはアルコールによる典型的な肝炎の症状なのだった。
頭も左脳辺りがぼんやりとしているが、それは脳血栓の始まりかもしれないのだった。
アルコールをやめれば体調も、そして日々の生活も好転することはわかりすぎるほどわかっているのに、どうしてもアルコールが止められないのだった。
もう死んでしまったが、父もアルコール依存症なのだった。
小学生の頃、私はよく夕方の薄暗がりの中で、酔いどれて帰ってきて始まるだろう父と母との諍いを思い浮かべながら、遠くにチラチラ見える、今まさに父が立ち寄っているに違いない居酒屋の明かりを悲しく見つめたものだった。
またあるとき、泣き上戸の父が昼日中から酒を飲んで泣いているのを見て、私が何か父を悲しませるような悪いことをしたからに違いないと勘違いし、「とおちゃん、こらえちや。もう2度と悪いことはせんから。なあ、とおちゃん」と泣きすがったのだった。
その父の酒乱のひどさに、十全会というアルコール中毒専門病院に入院させようかと、母と姉とが相談し始めた頃、父は一念発起して断酒会に入会し、それから死ぬまでの20年間、一滴もアルコールを口にしなかったのだった。
私はそんな父を思い出し、昨年、決意して断酒会に入会したのだが、どうしてもアルコールを止められず、2度入脱会を繰り返し今があるのだった。
私の双子の子らはまだ小学6年生で、今、私が倒れれば、たちまち家族は路頭に迷うことになるのはわかっているのに、私にはアルコールが止められないのだった。
私はアルコールを飲みながら、神様にこう祈るのだった。
「神様、もし、私の血管が切れるのだったら、そのまま、この命をあの世に連れていってください。よもや、不随となって、この世に命を踏みとどまらせ、介護に苦しむ家族の悲惨を私に見せるようなことだけはおやめ下さい」
何かに、どこかに行き着くまでは飲むしかないか、私はそう思い、今日もまたアルコールを飲み続けるのだった。
しかし、しかし、このまま朽ち果てるのも悔しいのだった。
「そげなことでどうする。しっかりせんか、太郎!」
心の奥底で母が叫んでいるのだった。
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