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断酒再び(4/5) - 最近のトピックスや弁当作り・断酒生活そのほかもろもろ日記

断酒再び(4/5)

          断酒再び(4/5)

 私は、今日こそは断酒会に行こうと誓っていたのだった。
 
 けれども、そのことは妻には話していないのだった。
 
 妻はアルコールが断てないのは意思の問題だと考えていて、数年前に私が断酒会に出席しようと思うと相談すると、断酒会にいくかいかないかなんてことを私に相談されたら気が重くなるだけだ、そんなことは自分で決めてよとにべもない返事が返ってきたのだった。
 

 今日の断酒会の例会は、駅の近くの公民館で夜の7時から9時まで開かれていて、この例会に出席すると、家に帰り着くのが9時30分ぐらいになるのだった。
 
 そこで、私は公民会に着いた後、1階のロビーの公衆電話から、今日は少し遅くなると妻に電話を入れたのだった。

 そうすると、妻は何の用事なのかとややしつこく私に問いただすのだった。

 そんなにも、私の行動は妻に信用されていないのだった。

 仕方なく、私が、実は今日は断酒会に出席しようと思っていると答えると、妻は今日は大事な用事があるからどうしても帰ってきてほしいと真剣な声で訴えるのだった。

 重たい足をなんとかここまで引っ張ってきた私は、断酒会に出席したいとは思ったものの、妻からそういわれると無碍にもできず、後ろ髪を引かれる思いを抱きながら家に向かって自転車を走らせたのだった。

 家に帰って、いったい何の用事かと聞くと、妻は、別段、用事があったのではない、断酒会に出席するなら出席すると、前もっていってほしかった、断酒会に出席するなとはいわないが、近くの会合にはいってほしくない、子らもこの4月から高校生だ、知り合いに父親がアルコール依存症で断酒会に通っているとは知られたくない、出席するなら隣町かどこか知っている人のいないところにしてほしいと、沈痛な面持ちでいうのだった。

 私は仏頂面をしながらその話を聞いたものの、妻のその思いも私にもよくわかるのだった。

 それを偏見だと片付けることは簡単だが、人の心はこういうものなのだった。

 私に妻を非難する資格などどこにもないのだった。

 来週、きっと、北方面の断酒会に出席しよう。それまではなんとかひとりで断酒を続けよう。

 私はそう力なく思うのだった。



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