母のこと、父のこと
父のこと①
父のことでは、私が小学生低学年時代に鮮烈な思い出があるのだった。
昼日中、私が庭で一人あそんでいるときのことなのだった。
父は縁側に座ってポロポロ泣いているのだった。
私は、最初、なぜ父が泣いているのか、皆目、わからないのだった。
一人遊びをしながら、父を見ると、私を凝視しながら、相変わらず泣き続けているのだった。
それは、泣き上戸の父が昼日中から酒を飲んで泣いているにすぎなかったのだが、そのことを知らない私は、そのうち、父が日頃の私の行いを何もいわずに涙でいさめているような気分になってくるのだった。
そして、遂には、私もその父の姿に耐えられず「とおちゃん、堪忍してや。きっと、もう悪いことはせえへんから」そう何度も繰り返し謝りながら、一緒に泣きじゃくり始めるのだった。
また、ある日。
父は、いつものように、村の中心部に1件だけほそぼそと営業している居酒屋で飲んでいるに違いない日のことだった。
その居酒屋は、私の家からは見えようはずもなかったのだが、私は家の裏の土手道に立ち、その店の方角に目をやりながら、ひたすら父の帰りを待つのだった。
帰ってきたら帰ってきたで、また、母との間で際限のない諍いが繰り返され、その姿を悲しく見つめながら、心を寒々とさせるだけのことだったが、それでも私はそうして父の帰りをいつまでも待っているのだった。
父はアルコール依存症なのだった。
そうなるまいと誓っていた私も、今やアルコール依存症となって、家族を苦しめているのだった。
父のことでは、私が小学生低学年時代に鮮烈な思い出があるのだった。
昼日中、私が庭で一人あそんでいるときのことなのだった。
父は縁側に座ってポロポロ泣いているのだった。
一人遊びをしながら、父を見ると、私を凝視しながら、相変わらず泣き続けているのだった。
それは、泣き上戸の父が昼日中から酒を飲んで泣いているにすぎなかったのだが、そのことを知らない私は、そのうち、父が日頃の私の行いを何もいわずに涙でいさめているような気分になってくるのだった。
そして、遂には、私もその父の姿に耐えられず「とおちゃん、堪忍してや。きっと、もう悪いことはせえへんから」そう何度も繰り返し謝りながら、一緒に泣きじゃくり始めるのだった。
また、ある日。
父は、いつものように、村の中心部に1件だけほそぼそと営業している居酒屋で飲んでいるに違いない日のことだった。
その居酒屋は、私の家からは見えようはずもなかったのだが、私は家の裏の土手道に立ち、その店の方角に目をやりながら、ひたすら父の帰りを待つのだった。
帰ってきたら帰ってきたで、また、母との間で際限のない諍いが繰り返され、その姿を悲しく見つめながら、心を寒々とさせるだけのことだったが、それでも私はそうして父の帰りをいつまでも待っているのだった。
父はアルコール依存症なのだった。
そうなるまいと誓っていた私も、今やアルコール依存症となって、家族を苦しめているのだった。
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