断酒日記再び(10.9 火)
昨日、夕方、妻からメールが届いた。
高校1年生の聡が高熱を出したので、学校を早退して帰ってきた、あなたも仕事が終わったらすぐに帰ってきてほしい、聡が起きたら病院に連れていく、あなたは聡が食べやすいようにうどんすきを用意してほしい、との内容だった。
私は職場が終わると早々に帰途についた。6時頃家に着くと誰もいない。聡を病院に連れていったのだ。食卓の上に1000円置かれている。私はこのお金を持って業務用スーパーに走った。
うどんすきの食材を買い物籠に入れた後、私の足は飲料置き場に向かった。缶ビールを買うためである。
350ml1缶を買った。88円である。今日はこれだけにしよう、そう思い、業務用スーパーのベンチで飲んだ。
家に帰って、うどんすきの用意にとりかかろうとしていると、妻と聡が病院から帰ってきた。2週間ほど前、妻がマイコプラズマ肺炎にかかっているから、聡もそうではないかと心配していたが、幸いにただの風邪のようだ。
ようだというのは、検査の結果がまだ出ていないからはっきりしないのである。
妻も一安心し、聡に寝室で寝ているように指示した。うどんすきの用意に30分ぐらいかかると私が妻にいうと、妻はそれなら先にお風呂に入るという。
私は妻がお風呂に入るのを見計らって、業務用スーパーにチャリンコを走らせた。もう1本缶ビールを買うためである。業務用スーパーまでチャリンコで2、3分。急いで缶ビール350mlを買って家に帰り、うどんすきの材料を切りそろえながら、その缶ビールを急ぎ喉に流し込んだ。
夕食が終わり、妻はアイスが食べたいといいだした。もう業務用スーパーは店じまいである。近くのコンビ二に買いにいくことになった。買いにいく役回りはもちろん私である。
コンビ二では、チョコアイス2本と聡のために氷のアイスを1本買った。私は、ついでに缶ビール350ml1缶も買って、コンビ二横の公園のベンチで、喉に流し込んだ。
結局、今日も断酒はできなかった。ビール350ml3缶を飲んだのである。この頃、小便がやけに黄色い。ウロビリが出ているのだ。
アルコール依存症の正しい知識の普及と予防を目指して設立された市民団体「ASK」のホームページの「アルコール依存症の診断基準」にこうある。
■ アルコール依存症の診断基準
WHOの診断基準「ICD‐10」では、アルコールやドラッグなどの「精神作用物質」の依存症候群について、次のような診断ガイドラインを定めています。なお、ここではわかりやすいよう「物質」をアルコールに置きかえ、解説をつけました。
【診断ガイドライン】
過去1年間のある期間に、次の項目のうち3つ以上がともに存在した場合に、依存の確定診断をくだします。
(a)アルコールを摂取したいという強い欲望あるいは強迫感。
解説:たとえば次のようなことです。終業前になると決まって飲みに行くことを考える。家には常に酒を用意しておかないと落ちつかない。他のことなら外出が面倒に感じる状況でも酒を入手するためなら積極的に出かける、など。これが高じれば、仕事が終わると帰宅まで待ちきれずに車中でも飲んだり、隠れてでも飲むようになります。
(b)アルコール使用の開始、終了、あるいは使用量に関して、摂取行動を統制することが困難。
解説:今日はやめておこうと思っても飲んでしまう。「一杯だけ」と決めて飲み始めたはずが、結局は自分の「定量」あるいは「あるだけ」飲んでしまう。翌日に酒臭が残るほど飲む。臓器障害を起こすまで飲む。医師から禁酒や節酒を指導されても守れない、などです。
(c)使用を中止もしくは減量したときの生理学的離脱状態。離脱症候群の出現や、離脱症状を軽減するか避ける意図でアルコール(もしくは近縁の物質)を使用することが証拠となる。
解説:離脱症状とは、アルコールによって脳の神経が抑制された状態が普通になってしまっているために、それが抜けていくときに生じるさまざまな神経の興奮状態のことです。イライラして落ちつかない、発汗や微熱、脈が速くなる、こむらがえり、不眠、手指の細かい震えなどがあります。依存が進行した状態では、全身の大きな震えや幻覚・妄想などを起こす場合があります。
(d)はじめはより少量で得られたアルコールの効果を得るために、使用量をふやさなければならないような耐性の証拠。
解説:つまり、かつてと同じ量では酔わなくなるということです。そのために、だんだんと飲酒量が増えていきます。耐性が生じていない人であればとても飲めないような量を飲む場合があります。
(e)アルコールのために、それにかわる楽しみや興味を次第に無視するようになり、アルコールを摂取せざるを得ない時間や、その効果からの回復に要する時間が延長する。
解説:たとえば次のようなことです。飲酒のために、家族で過ごす時間や会話が減る。外出といえば酒を飲むことばかりを優先する。飲んでいる時間が長くなり、他のことができなくなってくる(たとえば「仕事と酒だけの人生」といったように)。せっかくの休日には、二日酔いでごろごろ寝ているばかりになる、など。
(f)明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず、いぜんとしてアルコールを使用する。
解説:有害な結果とは、アルコールに関連する身体の病気(肝臓病、高血圧、糖尿病、心臓病……)、うつ状態などの悪化、家庭内でのトラブル、飲酒によって周囲の信頼を失うこと、飲酒運転などの違法な行動、職場や学校でのトラブル(急な欠勤や遅刻、成績の低下やミス、人間関係の問題など)、経済的な問題、などです。
私にはそのすべてがあてはまる。
電子出版プラットフォーム「パブー」から、田中かわずのペンネームで、400字詰め原稿用紙で10枚程度の短編小説「桜」「みっちゃんへ」「ピヨピヨ」「ベロの辛抱」、中編小説「おばあちゃんへの贈り物」を電子出版しました。無料です。よかったら読んでね。
エッセイ「オレのリハビリ日記」をパブーから有料で電子出版しました。300円です。よかったら買って読んでね。
高校1年生の聡が高熱を出したので、学校を早退して帰ってきた、あなたも仕事が終わったらすぐに帰ってきてほしい、聡が起きたら病院に連れていく、あなたは聡が食べやすいようにうどんすきを用意してほしい、との内容だった。
うどんすきの食材を買い物籠に入れた後、私の足は飲料置き場に向かった。缶ビールを買うためである。
350ml1缶を買った。88円である。今日はこれだけにしよう、そう思い、業務用スーパーのベンチで飲んだ。
家に帰って、うどんすきの用意にとりかかろうとしていると、妻と聡が病院から帰ってきた。2週間ほど前、妻がマイコプラズマ肺炎にかかっているから、聡もそうではないかと心配していたが、幸いにただの風邪のようだ。
ようだというのは、検査の結果がまだ出ていないからはっきりしないのである。
妻も一安心し、聡に寝室で寝ているように指示した。うどんすきの用意に30分ぐらいかかると私が妻にいうと、妻はそれなら先にお風呂に入るという。
私は妻がお風呂に入るのを見計らって、業務用スーパーにチャリンコを走らせた。もう1本缶ビールを買うためである。業務用スーパーまでチャリンコで2、3分。急いで缶ビール350mlを買って家に帰り、うどんすきの材料を切りそろえながら、その缶ビールを急ぎ喉に流し込んだ。
夕食が終わり、妻はアイスが食べたいといいだした。もう業務用スーパーは店じまいである。近くのコンビ二に買いにいくことになった。買いにいく役回りはもちろん私である。
コンビ二では、チョコアイス2本と聡のために氷のアイスを1本買った。私は、ついでに缶ビール350ml1缶も買って、コンビ二横の公園のベンチで、喉に流し込んだ。
結局、今日も断酒はできなかった。ビール350ml3缶を飲んだのである。この頃、小便がやけに黄色い。ウロビリが出ているのだ。
アルコール依存症の正しい知識の普及と予防を目指して設立された市民団体「ASK」のホームページの「アルコール依存症の診断基準」にこうある。
■ アルコール依存症の診断基準
WHOの診断基準「ICD‐10」では、アルコールやドラッグなどの「精神作用物質」の依存症候群について、次のような診断ガイドラインを定めています。なお、ここではわかりやすいよう「物質」をアルコールに置きかえ、解説をつけました。
【診断ガイドライン】
過去1年間のある期間に、次の項目のうち3つ以上がともに存在した場合に、依存の確定診断をくだします。
(a)アルコールを摂取したいという強い欲望あるいは強迫感。
解説:たとえば次のようなことです。終業前になると決まって飲みに行くことを考える。家には常に酒を用意しておかないと落ちつかない。他のことなら外出が面倒に感じる状況でも酒を入手するためなら積極的に出かける、など。これが高じれば、仕事が終わると帰宅まで待ちきれずに車中でも飲んだり、隠れてでも飲むようになります。
(b)アルコール使用の開始、終了、あるいは使用量に関して、摂取行動を統制することが困難。
解説:今日はやめておこうと思っても飲んでしまう。「一杯だけ」と決めて飲み始めたはずが、結局は自分の「定量」あるいは「あるだけ」飲んでしまう。翌日に酒臭が残るほど飲む。臓器障害を起こすまで飲む。医師から禁酒や節酒を指導されても守れない、などです。
(c)使用を中止もしくは減量したときの生理学的離脱状態。離脱症候群の出現や、離脱症状を軽減するか避ける意図でアルコール(もしくは近縁の物質)を使用することが証拠となる。
解説:離脱症状とは、アルコールによって脳の神経が抑制された状態が普通になってしまっているために、それが抜けていくときに生じるさまざまな神経の興奮状態のことです。イライラして落ちつかない、発汗や微熱、脈が速くなる、こむらがえり、不眠、手指の細かい震えなどがあります。依存が進行した状態では、全身の大きな震えや幻覚・妄想などを起こす場合があります。
(d)はじめはより少量で得られたアルコールの効果を得るために、使用量をふやさなければならないような耐性の証拠。
解説:つまり、かつてと同じ量では酔わなくなるということです。そのために、だんだんと飲酒量が増えていきます。耐性が生じていない人であればとても飲めないような量を飲む場合があります。
(e)アルコールのために、それにかわる楽しみや興味を次第に無視するようになり、アルコールを摂取せざるを得ない時間や、その効果からの回復に要する時間が延長する。
解説:たとえば次のようなことです。飲酒のために、家族で過ごす時間や会話が減る。外出といえば酒を飲むことばかりを優先する。飲んでいる時間が長くなり、他のことができなくなってくる(たとえば「仕事と酒だけの人生」といったように)。せっかくの休日には、二日酔いでごろごろ寝ているばかりになる、など。
(f)明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず、いぜんとしてアルコールを使用する。
解説:有害な結果とは、アルコールに関連する身体の病気(肝臓病、高血圧、糖尿病、心臓病……)、うつ状態などの悪化、家庭内でのトラブル、飲酒によって周囲の信頼を失うこと、飲酒運転などの違法な行動、職場や学校でのトラブル(急な欠勤や遅刻、成績の低下やミス、人間関係の問題など)、経済的な問題、などです。
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電子出版プラットフォーム「パブー」から、田中かわずのペンネームで、400字詰め原稿用紙で10枚程度の短編小説「桜」「みっちゃんへ」「ピヨピヨ」「ベロの辛抱」、中編小説「おばあちゃんへの贈り物」を電子出版しました。無料です。よかったら読んでね。
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