断酒日記再び(11/13 家族の苦しみ)
昨日の夕方、仕事を終えて、ちょっとした用事を済ませ、午後6時過ぎに家に着くと、妻がちょうど夕食の材料を買って、仕事から帰ってきたところだった。
「今日の晩ご飯は何にするんや」と私。
「バーモントカレーのルーが安かったから、カレーにしようと思ってるねん。今日も、仕事しんどかった。私、今からお風呂に入ろう思うから、カレー、作ってくれる?」と妻。
私に否やはない。
ふっと一息いれると、脳裏に冷凍庫のバーボンが浮かんできた。
(ここで、おちょこにあのバーボンを入れて、ストレートでキューッと飲んだら旨いやろなあ)
冷凍庫を開けると、ウィスキーの瓶に茶色い液体が、タポンタポンと波打っている。手に取るとずしりと重い。しかし、私は生唾を飲み込んでここはグッと我慢の子である。
11時頃、「相棒」のビデオを観ていた妻が言った。
「寝る前に、ちょっとだけ一緒にバーボン飲めへん」
「いや、やめとくわ」と私。
「あんた、断酒してるのん?」と妻。
これまで、もう、何度も何度も断酒宣言しながら飲酒を続けている私をみてきている妻に、今回はまだ断酒宣言をしていない。またぞろ「狼少年がきた」といってからかわれるだけだからである。
だから、今回は不言実行と決めていた。しかし、問われれば答えよう。
私はなるべくさりげなく言った。「そのつもりや」。
その言葉を妻は本気にしたかどうか。 不言実行。1日断酒、これあるのみである。
■ ブログ「アルコール依存症の父親を持つ息子の綴り」
「断酒日記再び」を書き、断酒会に出席するようになってから、よくいろいろな断酒ブログをサーフィンするようになった。
断酒ブログは、現にアルコール依存に悩んでいる人や断酒を継続して実行できている人の体験談や思いが綴られているものが多く、アルコール依存症の患者を持つ家族の立場からその思いを綴ったブログは少ない。
ブログ「アルコール依存症の父親を持つ息子の綴り」は、ハンドルネーム「A's」さんが、アルコール依存の父親との戦いを詳細に綴ったブログである。
その父親も他界されて、今はブログの更新も途絶えがちだが、私は、今、このブログを最初から丁寧に読ませていただいている。
胸つまされる記述が一杯ある。最新の記事からその1節を引用しよう。
家族の方へ
決して必要以上に頑張らないで下さい。 これ以上は無理だと思ったら逃げて下さい。 まずは自分のことを、そして同じ立場にいる家族のことを1番に考えて下さい。
「きっと家族の気持ちをわかってくれる。」という気持ちを、いとも簡単に裏切るのがアルコール依存症です。
アルコール依存の父親をなんとか専門病院に入院させて2ヶ月目の記事はこうだ(2007年11月10日の記事→掲載ページ)。
来週、2ヶ月目の家族診断があります。今回は父に会うつもりはありません。そんなに変わっていないでしょうから。それに、私の気持ちにも変化はありませんから。前回のように途中で席を立ち帰ってしまうかもしれません。外泊の話があっても受け入れるつもりもありません。今の状態ではとても無理です。父が家にいない今の生活はとても落ち着いています。とても平和です。私は父を心配しているふりをしているだけで、本心では本当はいなくなることを望んでいるのでは?と考えるようになりました。自分自身の本当の気持ちがよくわかりません。
この記事にはこんなコメントが寄せられている。
アル症を抱える家族は、みんなそう思っている(いた)のですよ。亭主が早く死んでくれないかとか、本音で語るとそういう言葉も出てきます。だから、A'sさんがそう思うのも普通のことです。それで、自分をお責めにならないように。お父さんが、どうなろうと、残された家族が平穏に暮らすことができることだけを考えて行けばいいのだと思います。なかなか、手を離すのは難しいことですが、家族が変わらなければ本人も変わりませんよ。
1昨日、私のブログの記事にも、ぽんたさんという人から、こんなコメントが寄せられた。
はじめまして
夫がアルコール依存症のぽんたと申します。
今年になって、当事者の方、ご家族の方のところにあちこちお邪魔しております。
よろしくお願い致します。
まだ、底つきを経験されていないとのこと・・・
うちの夫も表面上は同じです。(指先のしびれとか下痢とか本当は軽いものが出ているんですけど、それは夫曰く離脱ではないそうです)だから、否認の真っただ中です。
違うのは夫は、子どもが怖がるほどの暴言を吐き、威嚇し、離婚したいと言ってること。
現在は怖がっている子どもに飲んだ姿を隠すことができないので別居しています。
実は私も奥様と同じでかなり飲酒をしておりました。
当たり前ですよね。かなりの飲酒量の夫を伴侶に選んだのですから(笑)
ただ、過去形なのは夫のことがあり、子どもがアルコールという飲み物に対し敏感になってしまったので、そこまでして飲む必要がないので止めました。
私は子どもの心の方が大切ですから・・・
何かやめた方が良いという理由があって、やめておられるのであればそれをどうか貫いていただきたいです。
体が悪いこと、十分な理由です。
飲酒が原因の借金があること、十分な理由です。
そこでおさまっているうちで本当に良かった。
アルコール依存症の家族を持っている人間からすれば、本当にボロボロになってしまう前に気づかれたことを喜びたいです。家族として大切な人にそんな底つきは経験して欲しくないです。
長年の断酒継続者のように底つきがなくてもいい、強い意思などなくてもいいから、今日一日飲まずにいて下さることを共に喜ばせて下さい。
私はこのコメントにこう返信した。
ぽんたさん、はじめまして。
ブログ訪問、そしてコメントありがとうございます。
なんどもなんども読み返しました。
ぽんたさんのコメントに勇気づけられます。
今日は断酒5日目ですが、心の片隅に「なんや、簡単なことやないか。これやったら、また飲んでもすぐに断酒できるで」という甘い考えが芽生えているのを感じます。
ぽんたさんのコメントは、そんな考えを打ち消す力になります。
考えてみれば、借金をしてまで飲むことも、医者に止められても飲酒がやめられないことも立派な底つきといっていいかもしれません。
私も、ぽんたさんの夫(ご主人とかだんなさんという呼び方はよします)のように、飲酒中は指のしびれや下痢が続いていました。
鏡を見ると顔色がどす黒いので、鏡はあまり見ないようにしていました。
手を見ると、腫れぼったくむくんでいて、いつも無意識にさすっていました。
まだ、断酒5日目ですから、これらの兆候はまったく改善されていません。
1日断酒、これあるのみだと思っています。
ぽんたさんの夫のこと、ご心配ですね。
コメントの文面からして、ぽんたさんはアルコール依存のなんたるかについて、随分勉強されてるようなので、釈迦に説法になりますが、これは本人がアルコール依存の恐ろしさに気づくしか解決の方策はないようです。
アルコール依存の患者を抱える家族の苦しみはいかばかりかと思います。
けど、本人の気づきがなければどうしようもありません。
ぽんたさんには、夫のことは突き放して、気持ちを楽に持って、ご自身とお子さん大切に 日々の生活を送られることを祈念します。
私の偽らざる気持ちである。アルコール依存症の患者を持つ家族は辛く苦しい。1日断酒、これしかない。そう思う。
■ 今日の弁当
◇ 肉団子
卵、パン粉をよく練り合わせ、少々塩こしょうして肉団子にし、醤油、だし、砂糖、片栗粉で作った餡を絡めてみた。お味はどうかな?
◇ じゃがいもとにんじんのキンピラ、卵焼き
じゃがいもとにんじんを千切りにして炒め、醤油で味つけして白ゴマを振った。それと弁当の定番、卵焼き。
◇ たまねぎとちくわのサラダ
写真は撮り忘れ。
たまねぎは細切りにして水でよく揉み、同じように細切りにしたちくわとマヨネーズで和えた。
この記事を書きながら、夕べ、ほうれん草のおひたしを作っておいたが、弁当に入れるのを忘れてることに気づいた。残念。
電子出版プラットフォーム「パブー」から、田中かわずのペンネームで、400字詰め原稿用紙で10枚程度の短編小説「桜」「みっちゃんへ」「ピヨピヨ」「ベロの辛抱」、中編小説「おばあちゃんへの贈り物」を電子出版しました。無料です。よかったら読んでね。
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