嫁さんと2人の新年会
昨日、断酒59日達成。たかが59日、されど59日。1日断酒あるのみ。
美空ひばりの記事にも書いたが(→掲載ページ)、昨夜は嫁さんに誘われて、阪急茨木駅前のジャンカラで2人の新年会をした。
昨夜は、私は、「そんな古臭い演歌ばかり歌うのやめてよ」という嫁さんの言葉を尻目に、美空ひばりのオンパレードで、嫁さんはいつものように、いきものががりだとかエグザイルだとかのポップス調の歌をひとくさり歌った。
ジャンカラは持ち込み自由なので、嫁さんが自分用に350mlのチューハイ4本、私用に500mlのノンアルコールビールを2本買ってくれていて、私はそのノンアルコールビールを飲みながら歌を歌った。
ちなみに、断酒当初、私は、ノンアルコールビールなんか飲めるものかとアホにしていたが、この頃は、ちょっとアルコールが欲しいなと思うときには、ときに飲むことにしている。
普通のビールだと、500mlのロング缶は飲酒の導入程度に過ぎないが、さすがにノンアルコールだと2本といらない。1本あれば十分である。
アルコールの脳内回路ができあがっているこの身に、ノンアルコールビールが無害であるのかどうなのかはよくわからない。
ノンアルコールといってもごく微量にアルコールが含まれているとの記事をどこかで読んだ気もする。まあ、1本程度ならさして問題はない気もしてするが果たしてどうだろう。
それはさておき、2人でカラオケを2時間ほど追加し、時計を見ると12時前。そろそろ終電がなくなる時間帯である。
私は、家からチャリンコを走らせてきているからいいが、嫁さんは阪急富田駅の駐輪場にチャリンコをあずけているから、そろそろカラオケもお開きにしなければ終電に間に合わない。
清算を済ませ、嫁さんを茨木駅のホームに見送って、私は帰途についた。
■ 嫁さんと2人でスナック
家に帰りついて時計を見ると0時20分。嫁さんは電車で富田駅で降りてチャリンコを走らせて帰ってくるから0時30分ぐらいには帰りつくだろう。そう思い、こたつに入ってテレビを見ているうちに1時を過ぎた。嫁さんはまだ帰ってこない。
想像はつく。ときにいくスナックに立ち寄っているに違いない。
案の定、1時過ぎに携帯が鳴った。出てみると嫁さんからである。
「ねえ、今、亜希にいてんねん。これからこっちにこない?」。やや呂律が回っていない。
1人で帰ってこいというわけにもいかない。仕方なく、私は「亜希」に向かってチャリンコを走らせることにした。
亜希は、富田駅からチャリンコで15分ほど離れたところにある、10人ほどが座ることのできるカウンターを備えたうなぎの寝床のようなスナックである。
店内に入ると、奥の方にいつもの酔いどれがいた。どうやらこのスナックの近くに住んでいるらしく、仕事が終ればどこかの居酒屋で一杯ひっかけて、それから他の飲み屋に河岸を移し、ほぼ毎晩、へべれけ状態で最後に亜希に立ち寄っているらしい。
いつもは、1時過ぎには嫁さんが迎えにきて一緒に帰っていくのだが、昨夜はその嫁さんもカウンターに座って飲んでいた。
それから他に2人連れの女性客がいた。見知った顔である。歌が滅法うまい。嫁さんといい勝負だ。
嫁さんは1ヶ月に1回ぐらいはこの店に顔を出しているようだが、私は断酒を始めてからこの店にくるのは初めてである。
マスターに断酒中であることを告げて、私はウーロン茶を注文した。
■ うっかり水割りを飲む
嫁さんはもうとっくにできあがっていて、カラオケの調子もくるいがちになっている。
私は、うながされるまま、あらためて、美空ひばりの「悲しい酒」ほか数曲を、嫁さんや他のお客さんと交互に歌い、途中でトイレに立った。
帰ってきて、嫁さんのカラオケを聴きながら、ウーロン茶をぐっと喉に流し込んで驚いた。ウィスキーが入っていたのである。懐かしい匂いが口中に広がった。
「アチャー」と思うがもう遅い。アルコールは喉元を通り過ぎている。マスターに聞くと、嫁さんが入れたのだという。その嫁さんの目を見るとトローンと酔っ払っている。叱るわけにもいかない。
(自分から望んで飲んだんやない。これは事故や)そう自分に言い聞かせることにした。
ねえ、それでいいでしょう、みなさん。1杯のミスでこれまでの断酒の日数がすべてチャラになるなんてのはちょっと酷ですよねえ。
正直に話したのだから、この1杯はノーカウントということでよろしく頼んます。
よいどれおっさん夫婦と2人連れの女性客と一緒に、亜希を出たのが閉店の3時である。それから、チャリンコで蛇行運転を繰り返す嫁さんの後について、家に帰りついたのが3時30分。そのまま2人とも倒れ込むように床についた。
■ 低血糖
8時30分過ぎに嫁さんの呼ぶ声で目を覚ました。
「あんた、ちょっと起きて。今朝方から下痢と嘔吐でしんどうて、脱水症状になってるねん。寒気もするし冷や汗もひどい。ひょっとして低血糖かもしれへん。悪いけど、糖分の入ってるポカリスエット買ってきて」
嫁さんは糖尿を患っているが、低血糖になったのは初めてのことである。私もあわててポカリスエットを買いに走った。
帰りつくと、嫁さんが、「低血糖状態がひどくなると、意識がなくなったり混濁するいうから、そんときは救急車を呼んでよ」と、こたつの中で震えながらいう。
低血糖状態になれば、すぐに砂糖を舐めればいいというのは後から知ったことで、そのときは何がなんだかわからないから、ポカリスエットを飲んでこたつで温まっていると、嫁さんが少し落ち着いてきた。
「そうやわ。飴ちゃんがあったらそれ舐めたらいいってお医者さんがいってた」そういうので、娘の由美を起こして何か飴をもっていないか聞くと、のど飴があるという。急ぎ、舐めてしばらくすると、嫁さんにいつもの調子が戻ってきて、そしてこういった。
「ああ、びっくりした。そんなにお酒飲んでへんのにこんなになってしもて。やっぱ、私はアルコールに弱いんやわ」
(なあ、それは違うで。昨日は量も結構飲んでたで。それに量は少のうても、ほぼ毎日アルコールを飲んでるやないか。それってアルコール依存症の入口辺りにいてるということやで。糖尿病も持ってるんやから、俺と一緒に酒をやめたらどうや)
しかし、言葉にはできない。そんなことをいおうものなら、「私はあんたとは違う。それにそんなにお酒は毎日飲んでへん。私はアルコール依存症やない。あんたと一緒にせんといて」と大きな反発が返ってくることわかっている。
(それこそアルコール依存症者に特有な第1の否認やで)
私がいっても、嫁さんはわかってはくれないだろう。自ら気づく日を待つしかない。そのために、私は断酒を継続して、その姿を嫁さんに見せていなければならない、そう思う。
それにしても、低血糖も怖いね。調べてみると、低血糖で意識が混濁したりなくなったりしたときは、砂糖水を口の中に流し込むと変なところにはいってしまう恐れがあるから、砂糖かぶどう糖を歯茎と唇の間にすりこむのがいいらしいよ。
電子出版プラットフォーム「パブー」から、田中かわずのペンネームで、400字詰め原稿用紙で10枚程度の短編小説「桜」「みっちゃんへ」「ピヨピヨ」「ベロの辛抱」、中編小説「おばあちゃんへの贈り物」を電子出版しました。無料です。よかったら読んでね。
エッセイ「オレのリハビリ日記」をパブーから有料で電子出版しました。300円です。よかったら買って読んでね。
- 関連記事
-
- 断酒53日目の体調 (2012/12/30)
- 新年の誓い (2013/01/04)
- 嫁さんと2人の新年会 (2013/01/05)
- 断酒62日目 (2013/01/07)
- 断酒63日目 (2013/01/08)
いい記事だなって思ったらポチっと応援をお願いします。
にほんブログ村
ランチブログ ブログランキングへ
- No Tag