断酒92日目 元気な息子は困りもの
■ 今日(2月6日(水))は断酒92日目。
昨日、断酒91日達成。たかが91日、されど91日。1日断酒あるのみ。
■ ベッドでウンチを
今日は、アルコールとはまったく関係ない話。食事中には読まないでね。それに女の人にはやや顰蹙な話。
たびたび、映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう」のことで恐縮だが、この映画は、主人公の塚原が、居酒屋で酔いつぶれて自宅に帰り、10回目の吐血をして救急車で病院に搬送される場面からはじまる。
入院の翌日、塚原の元妻、園田が2人の子らを伴って病院に塚原を見舞う。塚原はベッドの上で絶対安静を強いられている。
当然、トイレにはいけないから、おしっこも尿管にチューブを差し込んで、そこから自動的にチューブ先の長方形のビニール袋の中に出るようになっている。
私にも経験がある。10年ほど前のことである。仕事中に部下の運転する車の助手席に乗っていて、交差点で部下がハンドルを切りそこね対向車と衝突した。
部下はとっさにハンドルを左に切ったから、対向車はちょうど助手席に座っている私に正面衝突する形になった。
結果、私は、左足の踝あたりを複雑骨折、右足の膝あたりを裂傷骨折するという大怪我を負った。
当然、搬送された病院では、症状が固定して車椅子に乗れるようになるまでの数十日間、ベッドの上で安静にしていなければならなかった。
便は付添婦さんにとってもらい、尿は塚原と同じように、チューブで自動的にナイロン袋の中に出すようにしてもらったのである。
これがなかなか大変なのである。ウンチが出そうだと思って付添婦さんを呼んだはいいが、いざきばってみてもウンチが恥ずかしがって、なかなかでてくれないのだ。
こりゃだめだ、そう思い付添婦さんにお詫びをいって控え室にかえってもらったはいいが、すぐにまたウンチが外に出たいと暴れだす。
いい加減にしろよと叱っても出物腫れ物ところかまわず、今度は本当にグザグザ出てきて、あわてて枕元のベルを押して付添婦さんを呼ぶなんてことがよくあった。
■ 尿のチューブで遊ぶってどうよ
映画の話にもどろう。ベッド横の椅子に座って塚原となにやら話していた園田の視線が、尿のたまったナイロン袋に止まる。
中にはいかにも肝臓病らしく、茶色く濁った尿が3分の1ほど溜まっている。
それを目にとめた園田が、そのナイロン袋を手に持ち、「これ、パパのおしっこ」そういいながら子らを呼んだ。
子らにもめずらしいのだろう、園田に近寄ってきて、尿の入ったナイロン袋を揉んだり、チューブをしごいたりする。
やがて、子らは「ぶーん」などといいながら、ナイロン袋を逆さにしたり元に戻したりしながら遊び始める。園田もその姿をほほえましげに見ながら一緒に遊ぶ。
私は自慢じゃないが、決して潔癖症でもなければ清潔好きでもない。でも、この場面では、(おいおい、ちょっと尿の入ったナイロン袋で子らを遊ばせるなんて、それはないんちゃう。それに汚いし。子らにやめるよう注意ぐらいしろよ)なんてことを思ったのだった。
おおらかというかなんというか。それともみんな、それぐらいどうってことないんじゃないのと思っているのだろうか。私の感覚ってちょっと変?
■ 元気な息子は困りもの
まあ、それはさておき、私の入院していたときの尿の話。
入院して数日後の早朝、私は下腹部の激痛で目を覚ました。とにかく痛い。何事が起こったのだろう。まだ、両足はしっかり固定されているから起き上がることもできない。よくわからない。痛んでいるところにおそるおそる両手を持っていって私は驚いた。
なんと、我が息子が凛々と元気を取り戻しているではないか!
そうである。いわゆる朝立ちというやつである。もう随分朝立ちする元気な息子の顔を拝んだことはなかったのだが、こんなときにおっ立つとは!
この痛みは、尿管に挿入されているチューブの先が、我が息子の朝立ちで尿道口のどこかを強烈に刺激したからに違いない。
かといって、息子が元気になって痛くていけないから、チューブをなんとかしてくれと看護婦さんに頼むわけにはいかないではないか!
「なあ、息子よ。おまえの好意は嬉しいけど、ときと場所をわきまえろよ」私は、そう優しくさとしながら、とにかく息子の静まるまでじっとその痛みに耐えたのである。
それから、毎日、朝立ちは続いて、私は「嬉し恥ずかし」の、人にはいえない痛みに耐えなければならなかったのだった。
今でこそ、こんな話が平然とできるが、あのときはそんなこと、恥ずかしくて誰にもいえなかったもんね。
今となっては懐かしい思い出ではある。
それから、尿道口に挿入したチューブを抜くときの、あのヌルッとしたなんともいえない快感?も忘れることができない。「ああっ!イクッ」って感じ。ひょっとして俺って変態チックなのかな?
(毎日かあさん」「ぼくんち」などでおなじみの漫画家西原理恵子さんの元夫で写真家の鴨志田穣さんは、42歳という若さで腎臓癌で死んだ。鴨志田さんは、腎臓癌が見つかる前、アルコール依存症を病んでいた。西原さんは「早く見捨てていればそれだけ回復も早かったかもしれない」と書かれている。アルコール依存症者だけでなく、是非、その家族にも読んで欲しい本。)
もうすぐ、おひな祭りですねえ。
電子出版プラットフォーム「パブー」から、田中かわずのペンネームで、400字詰め原稿用紙で10枚程度の短編小説「桜」「みっちゃんへ」「ピヨピヨ」「ベロの辛抱」、中編小説「おばあちゃんへの贈り物」を電子出版しました。無料です。よかったら読んでね。
エッセイ「オレのリハビリ日記」をパブーから有料で電子出版しました。300円です。よかったら買って読んでね。
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今日は、アルコールとはまったく関係ない話。食事中には読まないでね。それに女の人にはやや顰蹙な話。
たびたび、映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう」のことで恐縮だが、この映画は、主人公の塚原が、居酒屋で酔いつぶれて自宅に帰り、10回目の吐血をして救急車で病院に搬送される場面からはじまる。
入院の翌日、塚原の元妻、園田が2人の子らを伴って病院に塚原を見舞う。塚原はベッドの上で絶対安静を強いられている。
当然、トイレにはいけないから、おしっこも尿管にチューブを差し込んで、そこから自動的にチューブ先の長方形のビニール袋の中に出るようになっている。
私にも経験がある。10年ほど前のことである。仕事中に部下の運転する車の助手席に乗っていて、交差点で部下がハンドルを切りそこね対向車と衝突した。
部下はとっさにハンドルを左に切ったから、対向車はちょうど助手席に座っている私に正面衝突する形になった。
結果、私は、左足の踝あたりを複雑骨折、右足の膝あたりを裂傷骨折するという大怪我を負った。
当然、搬送された病院では、症状が固定して車椅子に乗れるようになるまでの数十日間、ベッドの上で安静にしていなければならなかった。
便は付添婦さんにとってもらい、尿は塚原と同じように、チューブで自動的にナイロン袋の中に出すようにしてもらったのである。
これがなかなか大変なのである。ウンチが出そうだと思って付添婦さんを呼んだはいいが、いざきばってみてもウンチが恥ずかしがって、なかなかでてくれないのだ。
こりゃだめだ、そう思い付添婦さんにお詫びをいって控え室にかえってもらったはいいが、すぐにまたウンチが外に出たいと暴れだす。
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■ 尿のチューブで遊ぶってどうよ
映画の話にもどろう。ベッド横の椅子に座って塚原となにやら話していた園田の視線が、尿のたまったナイロン袋に止まる。
中にはいかにも肝臓病らしく、茶色く濁った尿が3分の1ほど溜まっている。
それを目にとめた園田が、そのナイロン袋を手に持ち、「これ、パパのおしっこ」そういいながら子らを呼んだ。
子らにもめずらしいのだろう、園田に近寄ってきて、尿の入ったナイロン袋を揉んだり、チューブをしごいたりする。
やがて、子らは「ぶーん」などといいながら、ナイロン袋を逆さにしたり元に戻したりしながら遊び始める。園田もその姿をほほえましげに見ながら一緒に遊ぶ。
私は自慢じゃないが、決して潔癖症でもなければ清潔好きでもない。でも、この場面では、(おいおい、ちょっと尿の入ったナイロン袋で子らを遊ばせるなんて、それはないんちゃう。それに汚いし。子らにやめるよう注意ぐらいしろよ)なんてことを思ったのだった。
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■ 元気な息子は困りもの
まあ、それはさておき、私の入院していたときの尿の話。
入院して数日後の早朝、私は下腹部の激痛で目を覚ました。とにかく痛い。何事が起こったのだろう。まだ、両足はしっかり固定されているから起き上がることもできない。よくわからない。痛んでいるところにおそるおそる両手を持っていって私は驚いた。
なんと、我が息子が凛々と元気を取り戻しているではないか!
そうである。いわゆる朝立ちというやつである。もう随分朝立ちする元気な息子の顔を拝んだことはなかったのだが、こんなときにおっ立つとは!
この痛みは、尿管に挿入されているチューブの先が、我が息子の朝立ちで尿道口のどこかを強烈に刺激したからに違いない。
かといって、息子が元気になって痛くていけないから、チューブをなんとかしてくれと看護婦さんに頼むわけにはいかないではないか!
「なあ、息子よ。おまえの好意は嬉しいけど、ときと場所をわきまえろよ」私は、そう優しくさとしながら、とにかく息子の静まるまでじっとその痛みに耐えたのである。
それから、毎日、朝立ちは続いて、私は「嬉し恥ずかし」の、人にはいえない痛みに耐えなければならなかったのだった。
今でこそ、こんな話が平然とできるが、あのときはそんなこと、恥ずかしくて誰にもいえなかったもんね。
今となっては懐かしい思い出ではある。
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