閑話休題 リハビリ(その1)
■ 閑話休題
この断酒日記ブログには、これまで、まず冒頭に「断酒○○日目」と記載した上で、あれこれ断酒にかかわる思いを書いてきた。そして、その断酒が100日を越えた。
こんなことは、17、8歳の頃から飲酒をし始めて初めての経験だが、これはこのブログに寄せられた皆さんの励ましによるところも大きいし、何にもましてこうして断酒を宣言してブログを継続更新していることが支えになっている。
何の根拠もないが、このブログを更新できている間は断酒が継続できるような気がする。そのためにも、この断酒日記ブログをこれからも息長く書き続けていきたいと思う。
でも、アルコールに関することばかり書いていると、息が詰まりそうだし、ネタも尽きるというものだ。
それで、私は断酒100日を越えたあたりから、10年近く前に遭った交通事故とその後の手術の様子など、アルコールに関連しない記事をいくつか書いてきた。
入院時代のあれこれについては、過去に、一度、文章に書き、本でも出版したことがあるが、あらためて思い出すことも多い。
そこで、閑話休題。しばらくの間、アルコールを離れて(ときにはアルコールのことも書こうとは思っているが)、その入院時代の思い出などをあれこれ綴ってみようと思っている。
そんなわけなので、このブログのタイトルを見て、アルコールについて何か役に立つことが書かれているのではと、当ブログにお越しいただいた方には、その期待を裏切ることになります。あしからずご容赦のほど。
■ リハビリ(その1)
創外固定とギプスをとって骨を固定するために、足の中にチタンを入れる手術が終わった1週間後、ベッドの上でリハビリは始まった。
事故から既に1か月半近くが経ち、足首の筋が固まりかけていて、1日も早くリハビリを始めなければならなかったのだが、私はまだ車椅子にも乗れない状態だったから、ベッドの上でとりあえずのリハビリを始めたのである。
担当の先生は容赦がない。私の両足を丹念に揉んだあと、足先と踵を抱え込むように掴み、脛の方向に折り曲げ、固まりかけた筋を伸ばそうとする。
痛い。私は歯を食いしばり、これに耐えた。しかし後で口さがない同室の奴らにいい笑い者にされるのはわかっていても、つい声が出る。
「ア、イタタタタ!」
ベッドの上でのリハビリは辛い。もうそろそろ先生がやってくる時間だと思うと、ベッドから逃げだしたくなるのは人情というものである。
同室のみんなに、「もうそろそろ先生のくる頃やなあ。楽しみやなあ」などと冷やかされ、今日こそは声をたてないでいようと誓ってみても、いざリハビリが始まると、その痛さについ声が出る。
「イタイ、イタイ、先生、やめて、やめて、頼むからもうやめて」
こんなリハビリが二週間ほど続いたある日、骨折した骨もやや固まりかけてきたのだろう、私はやっと車椅子に乗ることができるようになった。
車椅子の袖に両手をかけて体全体を支え、足に加重がかかりすぎないよう注意をしながら、恐る恐る足先を床につけてみる。大丈夫だ。この程度の加重ならいける。ゆっくりゆっくり両腕で上体を支えながら腰をひねって、車椅子に深く上体を沈めた。
(できた!)
これでようやくベッドに縛りつけられた生活から解放されるのである。車椅子に乗ることができたことで一番の喜びは、トイレに1人でいけることだった。
(これで同室の皆に気兼ねせず、ゆっくりトイレでウンチができる!)
リハビリ(その2)に続く
(毎日かあさん」「ぼくんち」などでおなじみの漫画家西原理恵子さんの元夫で写真家の鴨志田穣さんは、42歳という若さで腎臓癌で死んだ。鴨志田さんは、腎臓癌が見つかる前、アルコール依存症を病んでいた。西原さんは「早く見捨てていればそれだけ回復も早かったかもしれない」と書かれている。アルコール依存症者だけでなく、是非、その家族にも読んで欲しい本。)
もうすぐ、おひな祭りですねえ。
電子出版プラットフォーム「パブー」から、田中かわずのペンネームで、400字詰め原稿用紙で10枚程度の短編小説「桜」「みっちゃんへ」「ピヨピヨ」「ベロの辛抱」、中編小説「おばあちゃんへの贈り物」を電子出版しました。無料です。よかったら読んでね。
エッセイ「オレのリハビリ日記」をパブーから有料で電子出版しました。300円です。よかったら買って読んでね。
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こんなことは、17、8歳の頃から飲酒をし始めて初めての経験だが、これはこのブログに寄せられた皆さんの励ましによるところも大きいし、何にもましてこうして断酒を宣言してブログを継続更新していることが支えになっている。
何の根拠もないが、このブログを更新できている間は断酒が継続できるような気がする。そのためにも、この断酒日記ブログをこれからも息長く書き続けていきたいと思う。
でも、アルコールに関することばかり書いていると、息が詰まりそうだし、ネタも尽きるというものだ。
それで、私は断酒100日を越えたあたりから、10年近く前に遭った交通事故とその後の手術の様子など、アルコールに関連しない記事をいくつか書いてきた。
入院時代のあれこれについては、過去に、一度、文章に書き、本でも出版したことがあるが、あらためて思い出すことも多い。
そこで、閑話休題。しばらくの間、アルコールを離れて(ときにはアルコールのことも書こうとは思っているが)、その入院時代の思い出などをあれこれ綴ってみようと思っている。
そんなわけなので、このブログのタイトルを見て、アルコールについて何か役に立つことが書かれているのではと、当ブログにお越しいただいた方には、その期待を裏切ることになります。あしからずご容赦のほど。
創外固定とギプスをとって骨を固定するために、足の中にチタンを入れる手術が終わった1週間後、ベッドの上でリハビリは始まった。
事故から既に1か月半近くが経ち、足首の筋が固まりかけていて、1日も早くリハビリを始めなければならなかったのだが、私はまだ車椅子にも乗れない状態だったから、ベッドの上でとりあえずのリハビリを始めたのである。
担当の先生は容赦がない。私の両足を丹念に揉んだあと、足先と踵を抱え込むように掴み、脛の方向に折り曲げ、固まりかけた筋を伸ばそうとする。
痛い。私は歯を食いしばり、これに耐えた。しかし後で口さがない同室の奴らにいい笑い者にされるのはわかっていても、つい声が出る。
「ア、イタタタタ!」
ベッドの上でのリハビリは辛い。もうそろそろ先生がやってくる時間だと思うと、ベッドから逃げだしたくなるのは人情というものである。
同室のみんなに、「もうそろそろ先生のくる頃やなあ。楽しみやなあ」などと冷やかされ、今日こそは声をたてないでいようと誓ってみても、いざリハビリが始まると、その痛さについ声が出る。
「イタイ、イタイ、先生、やめて、やめて、頼むからもうやめて」
こんなリハビリが二週間ほど続いたある日、骨折した骨もやや固まりかけてきたのだろう、私はやっと車椅子に乗ることができるようになった。
車椅子の袖に両手をかけて体全体を支え、足に加重がかかりすぎないよう注意をしながら、恐る恐る足先を床につけてみる。大丈夫だ。この程度の加重ならいける。ゆっくりゆっくり両腕で上体を支えながら腰をひねって、車椅子に深く上体を沈めた。
(できた!)
これでようやくベッドに縛りつけられた生活から解放されるのである。車椅子に乗ることができたことで一番の喜びは、トイレに1人でいけることだった。
(これで同室の皆に気兼ねせず、ゆっくりトイレでウンチができる!)
リハビリ(その2)に続く
西原理恵子月乃光司のおサケについてのまじめな話 アルコール依存症という病気 | |
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