これですべてを終わりとする
■ 蓮子、男の子を産む
花子は、毎日のように蓮子に便りを書きますが、なしのつぶて。心配でたまりません。蓮子は、葉山邸の屋敷内に閉じ込められているのです。
当然ながら、龍一が蓮子に会いに葉山邸を訪れても、蓮子に会わせてはもらえません。 そんなある日、花子の家に、花子の同級生の醍醐亜矢子が訪ねてきました。
亜矢子は龍一をみていいます。
「あなたが龍一さんなのね。蓮子さんに男の子が産まれたそうよ!」
龍一も花子も大いに驚き「なぜ、あなたがそのことを!」
事情はこうです。
亜矢子が蓮子の人生を小説か何かに書こうと思い、足しげく、蓮子の取材に葉山邸を訪れているうちに、葉山邸の運転手から、蓮子に男の子が生まれたことを聞きつけたのでした。
「男の子が・・・」そういいながら、龍一が懐から紙片を取り出します。
そこには、女の子と男の子の名前が書いてありました。
男の子なら「純平」。
■ その頃、嘉納屋敷では
その頃、蓮子の兄、晶貴は、嘉納伝助に会いにいっていました。晶貴を見て、伝助の部下たちが色めきたちます。
「こげな仕打ちをしくさって。許してなるもんか!」口々に晶貴をののしります。
晶貴は、伝助を目の前にして、「本来ならば、結納金を返納すべきところ、我が家にはそのような財力がございません。なにとぞ、これにてお許しいただきたく、お願いいたします。蓮子は必ずや髪を下ろして、尼にいたします」そういって、伝助に蓮子の髪を差し出すのでした。
晶貴をにらみつけながら伝助はいいます。
「蓮子に子ができたとや?」
「はい、男の子でございました」
「どこまで、社長を侮辱するか!」色めき立つ部下たち。
そんな部下たちをねめまわして、伝助が宣言します。
「みなのもの、よく聞け。蓮子のことは今日限りとする。蓮子はわしが一度はほれた女子や。もう、二度と蓮子にはかまうな! 蓮子に何かをしようというやつばらは、この伝助が許さん!」
伝助は、男っぽいところを見せるのでした。
■ 花子、蓮子に会いにいく
「どうすれば、蓮様にあえるのかしら?」そう尋ねる花子に、亜矢子は、「葉山家の運転手にお願いすればなんとかしてくれるわよ」
花子は、亜矢子の教えどおりに、運転手に事情を説明して、葉山邸に入ることができましした。
花子は、応対にでてきた晶貴の妹に、「どうしても蓮子に渡したいものがある。是非、あわせてほしい」と頼み込みます。
花子の熱意に負けた晶貴の妹は、「これは絶対に兄には内緒ですよ」、そういって、花子を蓮子にあわせるのでした。
蓮子にあった花子は驚いて、「その髪はどうなさったの? 産まれた男の子はどこ?」。
答えに窮する蓮子。
「蓮様、龍一さんから、これを預かってきました」そういい、花子は「純平」と書かれた紙片を蓮子に差し出すのでした。
そこに、2階から子どもの泣き声が聞こえてきました。
「母親と子どもを引き離すなんて!」憤慨やるかたない花子。
「お願いです。子どもを母親に合わせてあげてください」
「我が伯爵家では、子どもは乳母が育てるしきたりなのです」妹はそう答えながらも、花子の剣幕に押されて、子どもを蓮子のところに連れてきたのでした。
はじめてわが子を抱く蓮子。
「あなたのお父さんが、あなたにこんな素敵な名前をつけてくれましたよ」蓮子は、いかにも愛おしくわが子を抱きかかえるのでした。
花子は、毎日のように蓮子に便りを書きますが、なしのつぶて。心配でたまりません。蓮子は、葉山邸の屋敷内に閉じ込められているのです。
当然ながら、龍一が蓮子に会いに葉山邸を訪れても、蓮子に会わせてはもらえません。 そんなある日、花子の家に、花子の同級生の醍醐亜矢子が訪ねてきました。
亜矢子は龍一をみていいます。
「あなたが龍一さんなのね。蓮子さんに男の子が産まれたそうよ!」
龍一も花子も大いに驚き「なぜ、あなたがそのことを!」
事情はこうです。
亜矢子が蓮子の人生を小説か何かに書こうと思い、足しげく、蓮子の取材に葉山邸を訪れているうちに、葉山邸の運転手から、蓮子に男の子が生まれたことを聞きつけたのでした。
「男の子が・・・」そういいながら、龍一が懐から紙片を取り出します。
そこには、女の子と男の子の名前が書いてありました。
男の子なら「純平」。
その頃、蓮子の兄、晶貴は、嘉納伝助に会いにいっていました。晶貴を見て、伝助の部下たちが色めきたちます。
「こげな仕打ちをしくさって。許してなるもんか!」口々に晶貴をののしります。
晶貴は、伝助を目の前にして、「本来ならば、結納金を返納すべきところ、我が家にはそのような財力がございません。なにとぞ、これにてお許しいただきたく、お願いいたします。蓮子は必ずや髪を下ろして、尼にいたします」そういって、伝助に蓮子の髪を差し出すのでした。
晶貴をにらみつけながら伝助はいいます。
「蓮子に子ができたとや?」
「はい、男の子でございました」
「どこまで、社長を侮辱するか!」色めき立つ部下たち。
そんな部下たちをねめまわして、伝助が宣言します。
「みなのもの、よく聞け。蓮子のことは今日限りとする。蓮子はわしが一度はほれた女子や。もう、二度と蓮子にはかまうな! 蓮子に何かをしようというやつばらは、この伝助が許さん!」
伝助は、男っぽいところを見せるのでした。
■ 花子、蓮子に会いにいく
「どうすれば、蓮様にあえるのかしら?」そう尋ねる花子に、亜矢子は、「葉山家の運転手にお願いすればなんとかしてくれるわよ」
花子は、亜矢子の教えどおりに、運転手に事情を説明して、葉山邸に入ることができましした。
花子は、応対にでてきた晶貴の妹に、「どうしても蓮子に渡したいものがある。是非、あわせてほしい」と頼み込みます。
花子の熱意に負けた晶貴の妹は、「これは絶対に兄には内緒ですよ」、そういって、花子を蓮子にあわせるのでした。
蓮子にあった花子は驚いて、「その髪はどうなさったの? 産まれた男の子はどこ?」。
答えに窮する蓮子。
「蓮様、龍一さんから、これを預かってきました」そういい、花子は「純平」と書かれた紙片を蓮子に差し出すのでした。
そこに、2階から子どもの泣き声が聞こえてきました。
「母親と子どもを引き離すなんて!」憤慨やるかたない花子。
「お願いです。子どもを母親に合わせてあげてください」
「我が伯爵家では、子どもは乳母が育てるしきたりなのです」妹はそう答えながらも、花子の剣幕に押されて、子どもを蓮子のところに連れてきたのでした。
はじめてわが子を抱く蓮子。
「あなたのお父さんが、あなたにこんな素敵な名前をつけてくれましたよ」蓮子は、いかにも愛おしくわが子を抱きかかえるのでした。
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